無駄にしないように
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主に使用しているアッパー用の革である

今回フランスのタンナー(革を加工する工場)であるアノネイ社のカーフを購入したので広げて写真に収めてみた

「カーフ」とは、子牛の革のことを指す
しかし海外と日本の規格が異なるのか、日本のそれよりもだいぶ面積が大きい
日本の呼び名では「キップ(さらにもう少し成長した状態。詳しくはまたいずれ)」と呼ばれるくらいの面積である
木型を置いてみたので大きさはだいたい理解していただけると思う

この1頭の革で実際に製品として使える部分、どれくらいだと思われるだろうか

これは作り手の考え方にもよるが、ビスポークの靴はこの1枚の革から繊維質のいちばん良いお尻の部分から1足
それ以外の部分でセミオーダーでもせいぜい2足ほどである

残りの革はフィッティング用として使用するのでほとんど捨てる部分はない
残りの部分と言っても血筋や生来のキズ、虫さされなど、個人的には全部好きな部分なので、自分用の靴には(わざと)入れたりしている
そもそも「革」とは肉の副産物なので、キズや虫さされは当たり前
たまに50センチくらいにわたって長いキズの入っている革をみたこともある

「革はつるっとしていてきれいな素材」というよりは、「生きていた証拠が刻み込まれた一期一会の味わい深いもの」と讃えたい

深い傷や、へこみなど革を広げた段階でチェックする
完全に避けるのではなく、つり込んだ際、後々に切り取ってしまう部分にうまく入れ込む
こうすることで有効に無駄無く革を使う事ができる
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包丁を使って型紙のラインに沿って慎重に裁断していく

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裁断後、断面にクロム鞣し特有の薄い水色がのぞく
「鞣し(なめし)」についてはまた次回
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断面に着色を施す
着色剤には断面をほつれなくさせる効果もある
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くちこみブログ集 by Good↑or Bad↓ 靴職人

by kadohatsu | 2009-01-15 23:18 | cado.making | Comments(0)
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